屋根の剥がれ、割れなど 屋根鈑金工事とは?
投稿日:2019年12月25日 更新日:2026年5月29日
屋根の剥がれや割れは、絶対に避けたい雨漏りに直結する深刻な問題がひそんでいます。
屋根にかぎらず、水に触れる箇所は厳重な雨仕舞い(あまじまい)が非常に重要です。
雨仕舞いとは、水が入り込まないように隙間を埋めるなどの処置を行うことです。
屋根の雨仕舞いで要となるのが、屋根板金です。
屋根も部材の合わさりにより接合部ができ、そこに生じる隙間をなんとかしなければいけません。
その処置方法に屋根板金が使われています。
本記事では、屋根板金工事が必要な場所や雨漏りリスクが高い箇所などを解説します。
屋根板金工事が必要な場所と形状による違い
屋根板金工事とは、屋根の頂上や端、接合部などに金属製の板を取り付ける工事のことです。
主に雨水が建物内部に侵入するのを防ぎ、スムーズに排水させる役割を持っています。
屋根板金は具体的に以下の場所に設置されています。
・棟(むね): 屋根の頂上にある、面と面が合わさる部分
・ケラバ: 切妻屋根などの斜めになった外壁から出っ張っている端の部分
・軒先(のきさき): 屋根端部で、雨樋が設置される部分
これらは屋根のデザイン(切妻、寄棟、片流れなど)によって取り付けてある屋根板金が異なります。
建物の構造や「納まり(部材の接合具合)」を正しく理解していないと全体像をイメージしにくいかもしれませんが、要するに隙間ができやすく雨水が侵入しやすい場所には必ず板金が施されていると考えてよいでしょう。
また、屋根の素材によっても板金の必要性は変わります。
スレート屋根や金属屋根(ガルバリウム鋼板など)では多くの場所で板金工事が必要とされますが、日本瓦などの瓦屋根の場合は、構造上、特定の場所にしか板金を使用しないケースもあります。
雨漏りのリスクが最も高い「谷板金」の役割と素材
屋根の形状によって板金の場所が変わるなかで、どのような屋根でも特に気にかけておかなければならないのが「谷(たに)」と呼ばれる部分です。
谷とは、屋根の面と面が内側に合わさり、文字通り「谷のようになっている溝」を指します。
屋根に降った雨水はすべてこの谷に集まり、一気に流れ落ちていくため、屋根の中で最も雨漏りリスクが高い場所と言っても過言ではありません。
この谷部分に設置しているのが谷板金(谷樋)です。
常に大量の水を流す過酷な環境にあるため、非常に高い耐久性が求められます。
谷板金に使われる素材は「トタン」や「銅」「ガルバリウム鋼板」「ステンレス」などいろいろあります。
ただ一般的にはコストが安価なトタンが主流にあり、現在ではガルバリウム鋼板も普及しつつあります。
トタンや銅は、経年劣化や酸性雨などの影響で穴が空くトラブルが報告されています。
頑丈でそう頻繁にメンテナンスの必要がない瓦屋根でも谷がある屋根形状なら板金が使われています。
谷板金の錆を防ぐには定期的な塗装が不可欠です。
雨漏りが起きやすい場所だからこそ、定期的に谷板金をチェックし、適切な時期に手を施しましょう。
釘の浮きや下地の劣化がもたらす雨水侵入のリスク
屋根板金は非常に頑丈に見えますが、経年劣化によるトラブルと隣り合わせです。
もう一つ注意しなければならないのが、板金を固定している「釘の浮きや抜け」です。
板金は日々、太陽の熱による膨張と夜間の冷気による収縮を繰り返しています。
このわずかな伸縮が長年繰り返されることで、板金を固定している釘が次第に外へと押し出され、浮き上がってしまうのです。
さらに、板金を固定する土台(下地)となる「貫板(ぬきいた)」の問題もあります。
従来、この貫板には木材が広く使われてきましたが、木材は年月が経つと結露や湿気で腐食し、強度が低下していきます。
下地がスカスカになれば釘を保持する力が失われ、さらに釘が抜けやすくなってしまいます。
「釘が一本抜けたくらいなら大丈夫だろう」と思われるかもしれませんが、放置するのは禁物です。
なぜなら釘が抜けた穴から水が入り込んでしまうからです。
土台となる貫板が濡れて、さらに腐食を加速させます。
強度が弱まった屋根板金(特に最頂部にある棟板金)は、風に煽られて飛ばされる危険性があります。
日本は毎年台風に見舞われ、棟板金が飛ばされる被害が度々報告されています。
棟板金は大きな部材ですので、周囲の建物や車にぶつかり傷つけてしまったら、賠償責任まで問われる問題に発展する可能性があります。
自然災害でしたら火災保険を利用して修理できますが、被害を出さないに越したことはありません。
劣化や不具合に気づきにくい場所だからこそ、正常な状態を保てるように、定期的に点検することをおすすめします。
火災保険については以下の記事をご覧ください。
まとめ|屋根は10年を目安に点検を!
屋根板金工事は、普段目にする機会は少ないものの、建物の耐久性を維持するために極めて重要な役割を担っています。
特に雨水が集まる谷板金は、放置すると構造材を腐らせる大規模な雨漏りへと発展しかねません。
棟板金の釘の浮きも風に飛ばされてしまうリスクがありますので、10年くらいを目安に周期的に屋根点検の実施をおすすめします。
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